N1 読解問題 001 練習問題『 平和の実現する日は 』 【問題】次の文章を読んで、後の問いに答えよ。 そろって小さな手をあげて、園児が道を渡ってゆく。そばを犬を連れた人が通る。色づいた木々の葉が散りかかる。(1)こんな情景が身にしみるのは、深まる秋のせいだけではない。北朝鮮が核兵器を手にしたとすれば、今ここにある当たり前の平和が、いつか揺らぎかねないからだ。 1914年に第一次世界大戦が始まったころ、ドイツの作家(2)ヘルマン・ヘッセは「平和」という詩を書いた。「みんな(3)それを持っていた。/だれもそれを大切にしなかった……おお、平和という名は今なんという響きを持つことか!」(高橋健二訳) 開戦で、学者や作家は感激的な調子で愛国心をあおった。世界市民的な思いが強かったヘッセは、住んでいたスイスの新聞に書いた。「愛は憎しみより美しく、理解は怒りより高く、平和は戦争より高貴だ」 彼は..